2025年6月11日
おばあちゃんの金言「まごわやさしいこ」―現代栄養学が裏付ける、和の食養生
昔から語り継がれる日本の知恵に「ま・ご・わ・や・さ・し・い・こ」という言葉があります。
これは、まさに日本の伝統的なバランス食の指標です。
実はこの「まごわやさしいこ」は、現代の栄養学や腸内環境学の観点から見ても、非常に理にかなった食習慣であることが明らかになっています。
現代科学が証明する「まごわやさしいこ」の力
この食生活は、以下の栄養素を自然に摂取することができます。
特に、腸内フローラの多様性を保ち、免疫力・メンタル・代謝にまで好影響を与える点は、現代医療の研究でも注目されています。
成長期と中高年で異なる「たんぱく質の摂り方」
ただし注意すべき点もあります。それはたんぱく質の摂り方のバランスです。
→ 植物性:動物性 = 1:2 の比率が望ましいとされています。
動物性たんぱく質には骨や筋肉の「構造」を支える役割が強く、小麦グルテンのように膨らみのある骨格形成に寄与します。
→ 植物性:動物性 = 2:1 のバランスが理想的。
加齢による腸の負担や代謝の低下を考慮すると、植物性たんぱく質を多めに摂取する方が、腸と全身の健康維持につながります。
「まるごと食べる」習慣の知恵
また日本の昔ながらの食文化には「魚はまるごと食べる」という習慣がありました。
骨や内臓、皮に含まれるカルシウムやビタミンD、DHA・EPA、微量ミネラルなど、まさに“全部食べて全部活かす”という自然の摂理にかなっています。
現代では、身だけを食べる傾向がありますが、たとえば小魚や煮干し、ししゃもなど、まるごと食べられる魚は、今こそ見直されるべき「完全栄養食品」と言えるでしょう。
温故知新の食卓を、もう一度。
おばあちゃんの知恵は、単なる言い伝えではありません。
科学的な裏付けとともに、今の私たちの健康を守る知的な食の指針として蘇っています。
食の欧米化、超加工食品の氾濫が進む現代だからこそ、「まごわやさしいこ」をベースにした温故知新の食卓を、もう一度日々の暮らしに取り入れてみてはいかがでしょうか。